NGSワークショップ「NGSの多彩な活用」

NGSワークショップ「NGSの多彩な活用」を開催いたしました。

荒川先生には「非モデル生物のマルチオミクス解析 – クモ糸とクマムシの解析 」をご講演いただきました。

クマムシとクモといった対象生物種の面白さに加え、効率化された解析パイプラインで実現する膨大なデータ量に圧倒されるばかりでした。映画のような講演で、体感的にはあっという間に終わってしまい、もっと聞いていたかったです。クモの糸で作られたネクタイに触り損ねたことも後悔のひとつです。

牧野先生には「家畜種・栽培種・絶滅危惧種のゲノムに蓄積する有害突然変異 」をご講演いただきました。公開されているゲノムデータを利用した、家畜化された品種における有害変異の蓄積要因を探る研究、新しく取得したNGSデータをもとに行われた、希少生物のゲノム特性を調査する研究、二つのテーマでお話しいただきました。進化的研究におけるバイオインフォマティクスの有効性を改めて感じました。

細谷先生には「魚類遺伝育種のための大規模多型解析」 をご講演いただきました。

これまでの多型解析の流れに関して(NGS以前の手法までも!)、様々な実例をあげながら、素晴らしくまとまった話を聞くことができました。NGS用いた多型解析の特徴、利点も整理されており、本講演の聴衆はもうどの手法を使うか悩むことはないでしょう。

鐘ヶ江先生には「ゲノム育種を実装・利用するための NGS データ解析」 をご講演いただきました。imputationの有無でどれだけ結果が変わるのか、実際のデータでみるとその重要性が明瞭でした。NGS解析結果に問題がないのだろうか?という誰もが実際不安になるところに関して、どうすべきか、実際にどうやってやるのかなど、様々な具体例を出していただきました。最後になりますが、時間を奪う神エクセルはだめ、ゼッタイと痛感しました。気をつけます。

 

素晴らしいご講演の数々ありがとうございました。講演者の先生方はこちらからのリクエストに完璧以上にこたえてくださいました。また、ライトニングトークの講演者のかたがたも、様々なトピックを紹介してくださいました。その後の懇親会でも議論が進んでいたようで、なりよりです。よいワークショップにできたのではないかと思っております。ご参加、ご協力ありがとうございました。